神降し
神楽殿の四方・八方を祓い清めて、天神・地祇の降臨を願う意味のものである。第一の舞が祓い、清め、第二の舞が神遊びの舞である。
塵倫
八幡神社の祭神帯中津彦命が弓矢のご武徳をもって、日本を侵そうとする外敵を調伏する物語が主題となっている。異国から数万騎の軍勢をもって、日本に侵攻してきた外敵の中に、身に翼をもって、大空を駆け巡り、黒雲をはき変幻自在の兇敵塵倫なるものがあったが、帯中津彦命の弓矢によって調伏する物語。
鍾馗
天照大神の弟・須佐之男命は、高天原においてさまざまな悪事をはたらいたために大神の怒りを買い、財宝を没収された上、下界に落とされた。
それからしばらくして、命は唐の国(中国)に渡り、自ら鍾馗大神(しょうきだいじん)と名乗る。ある時、時の皇帝・玄宗が眠っていると夢の中で虚耗(きょもう)という悪鬼が現われ、そのために玄宗は苦しんでいた。鍾馗はその夢の中に入り、その悪鬼を退治して玄宗を助けた。
命が大八島の国(日本)に戻ると、命に退治された虚耗の眷族が命に恨みを抱き、大八島の国を滅ぼしてしまおうと考えわが国へ攻め込んできた。その眷族たちは疫神となり、国々村々を駆けめぐっては老若男女をさまざまな病で苦しめていた。
命は再び鍾馗大神と名乗り、左手には悪魔を払うというチガヤで作った茅の輪を、右手には十束の剣を持って疫神の前に立ちふさがる。
「そこの者、わが国で何をしている。お前は何者だ」
「われわれは汝に殺された虚耗の眷族で、今は一切の病を司る大疫神である。虚耗の恨みを晴らすため、国々を駆けめぐり、幼き者から年老いたる者すべてを病にかけて取り殺し、この国を魔国としてくれよう」
「この神国において、汝らをのさばらせてはおけぬ。これなる茅の輪の神徳をもって汝らを調伏してくれん」
大疫神は素早い動きで命を翻弄するが、命は目に見えない大疫神を茅の輪で捕らえ、その右手に持つ十束の剣で散々にめった刺しし、ついに大疫神を退治する。そして、人々は再び病に倒れることのないよう、夏になると茅の輪をくぐって悪魔払いをするようになったと言われている。
八岐の大蛇
高天原を追われた須佐之男命は、出雲の国斐の川の川上で嘆き悲しんでいる足名椎、手名椎、そして八人目の姫、奇稲田姫に出会いその訳を聞き、須佐之男命は大蛇退治を決意する。
やがてたな引く群雲に乗って現れた大蛇に、樽酒を飲ませ、酔い伏して眠った大蛇を大格闘の末退治する。
退治した大蛇の尾から一振りの剣が出てくる。これを「天叢雲剣」と名付けて天照大御神に捧げ、めでたく奇稲田姫と結ばれる物語。
恵比寿
五穀豊穣を祈願し、家内安全・商売繁盛を願う舞である。
悪狐伝
金毛九尾の白狐の化身が、鳥羽天皇に見出されて玉藻前となる。その後に、陰陽師"安部安親"が占いによって、その正体を見破った。
白狐は下野の国那須野ヶ原に逃れるが、朝廷の臣、三浦之介、上総之介の両人に退治される物語。
滝夜叉姫
天慶の乱で、平将門は藤原秀郷・平貞盛に討たれた。将門の娘の五月姫は父の敵を討たんと、貴船の社に願をかけ妖術を授かり反乱を企てるが、陰陽師”大宅中将光圀”が朝廷を奉して下野に向かい、姫の妖術を破り退治する物語。
紅葉狩
中納言平維茂は、狩猟の度に出ましたが、信濃の国戸隠山の山中で道に迷ってしまいました。そこには美しい上臈(じょうろう)たちが紅葉狩の宴を開いていました。道を尋ねようと立ち寄ったところ、美女は巧みにすすめて維茂主従を酒宴に同座させてしまいます。
酒杯を重ねて酔いつぶれた維茂は、夢枕に現れた八幡大菩薩から『この美女こそ維茂の命を狙う鬼女である』との警告を受け、神剣を授かります。夢から覚めた維茂は、この神剣をもって鬼女との合戦に挑みます。
戻り橋
大江山酒呑童子の輩下は、老女に化相して夜ごと平安京の羅生門・戻り橋のあたりに出没して都民たちに災いをかける。源頼光の家人・渡辺綱が主命を受けて征伐に向かうが、茨木童子の虚空飛天の妖術により酒呑童子が出現し、渡辺綱の一命が危うくなる。石清水八幡のご神告によって、坂田金時が加勢したので酒呑童子は大江山に飛び去り、茨木童子は左のうでを切り取られる。
羅生門
京の都羅生門戻り橋で、渡辺綱に左の腕を切り取られた茨木童子を哀れと思った酒呑童子は、左の腕を取り返すべく渡辺綱の乳母"白妙"の館に向かい、白妙を取り食らい、化身して渡辺綱を出迎える。
夜半その正体を表し、首尾よく左の腕を奪い返して茨木童子の手に取り付ける。渡辺綱らは酒呑童子らに立ち向かうが、妖術にかかり倒れるも源頼光が石清水八幡のお告げで綱らを助ける。童子らは虚空飛天の妖術で大江山へ逃げ帰る。大江山の中編となる物語。
大江山
平安中期、一条天皇の御世のこと。丹波の国は大江山・千丈ケ岳に酒呑童子を頭とした鬼達が立てこもり、都付近に出没し、悪事を働き良民を悩ませたため、一条天皇は源氏の嫡流である源頼光に鬼賊討伐の勅命をおくだしになった。頼光は藤原保昌と共に四天王を従えて、岩清水八幡、熊野大社、住吉大社などに詣で、この度の戦いに勝利を賜るようにと祈願すると、宝刀と神変鬼毒酒(鬼が飲めばたちどころに魔力を失い、頼光らが飲めば千人力となる)を授かった。
酒呑童子は出家したものには手をくださなかったため、頼光らは山伏修験者に身をやつして大江山に向かう。途中、里人に出会い道を聞き、また都で連れ去られた紅葉姫と出会い鬼の岩屋へと案内させる。
頼光は酒呑童子に 一夜の宿を請うが、酒呑童子は本物の山伏かどうか疑問に思い、激しく問答するも、頼光は全ての質問に鮮やかに答えたので宿を許される。頼光は酒宴の場で童子らに毒酒を与えて自由をなくし、神のご加護の元についに酒呑童子らを討伐するという物語。
土蜘蛛
大和は葛城山に古くから住んでいたという土蜘蛛の精魂が、朝廷に従わず世を乱して抵抗を続けていたが、時の朝廷の武士である源頼光が重い病になったと聞き、頼光の侍女・胡蝶にと化身する。頼光が侍女・胡蝶に典薬の守から薬をもらい受けるように申し付けたのを幸いに、その薬を毒薬にすり替え、頼光に飲ませ殺めようとするが、頼光の枕元にあった源家の宝刀「膝丸」の威徳によって土蜘蛛の精魂は手傷を追い、葛城山へと逃げ帰る。頼光はその太刀を「蜘蛛丸」と改めて四天王に授け、葛城山の土蜘蛛征伐を命じる。
四天王は土蜘蛛の流血のあとを追って、ついに葛城山にたどり着き、激闘の末、めでたく土蜘蛛を退治する、という物語。
山姥
源頼光が、東国の賊徒平定のため渡辺綱を共に連れ信州明山にさしかかる。明山には以前北面の武士の妻でありながら夫に死別して都を追われた女性が住み、世を呪い人を恨み、一子怪童丸とともに山賊になり下がっていた。この山姥が頼光をねらったが、武勇の前に屈し、せめてもとの助命を願う。頼光は母の情に感じ山姥を許し、怪童丸を家来にする。これが四天王の一人坂田金時である。
奥州安達ヶ原の鬼女
平安時代、京の都の公家に姥母として奉公していた老婆『岩手』は、養育している姫が病弱で、占い師から妊婦の生肝が特効薬と聞き、奥州安達ヶ原まで下り機会を待つ。その内に念願の妊婦が現れ殺めるが、その妊婦の肌着を見れば・・むかし里に残した我が子『恋衣』だった。驚愕のあまり狂乱した老婆は鬼女と化し、通りかかる旅人を次々と襲い殺すが、その後、『阿闍梨祐慶(あじゃりゆうけい)』という山伏に、観世音菩薩の御霊力により退治されてしまう。
有名な黒塚の鬼婆の物語である。
鬼同丸退治
京の都の見回りを終えた源頼光と渡辺綱は、その夜のあまりの寒さに官舎に帰るのをあきらめ、弟頼信の屋敷を訪ねた。
皆で酒盛りをしている最中、頼光は庭先の馬屋に、その日頼信に捕えられている鬼同丸に気付き、縛りのあまさを指摘し、さらに戒めをするよう頼信に命じる。
それを聞いていた鬼同丸は激しい恨みを抱き、その夜自慢の怪力で縄をふりほどくと眠りについていた頼光に襲いかかる。しかし頼光の知恵と武勇にはかなわず、ついには返り討ちにあい命からがら逃げ去った。
あきらめきれない鬼同丸は再び策を巡らせ、頼光や綱を待ち伏せするが、ついには頼光の刃に倒れてしまうという物語である。
Ads by Sitemix